初めての挫折、心と体の転落編
【第二話】初めての挫折
初めての大学受験
高校で進路を考えていた時、興味のある分野は芸術、音楽、理科でした。
東京の上野駅に用事があったので、東京藝術大学の見学に行きました。
(日本最高峰に行ってしまう愚かさ)
そこで芸大生の作品を見て、衝撃を受けたのです。
私もこんな絵描きたい。美大生ってかっこいい。「私美大生なんだ〜!」て言いたい。
デジャヴです。
第一話に続いて、小学校陸上部の時痛いめにあったのを忘れていました。
再びしょうもない動機で、美大生を目指し始めました。
興味のない静物や人物や石膏像を描くのは面白くありませんでした。
仕方なく石膏像に名前をつけて愛着を沸かせて描きました。
今日はヒロシ。次の日はタケシ。
私が元々描いていた好きな絵は、漫画やヨッシーやポケモンでした。
完全に場違いです。
それでも真面目に毎日通って、今までの人生で1番頑張りました。
しかし当然のように受験は落ちました。
滑り止めさえ受からずに、見事に滑り切りました。
皆絵が大好きで、上手で、何年も浪人してやっと受かる人が多い世界でした。
芸大に関しては現役で入れるのはレアで、
「東大より倍率が高い」
「メイド喫茶より倍率が高い」
とか噂で聞いていました。
芸大出身の先生に「俺の時は倍率20倍位あったんだぜ」とドヤァされました。
先生の倍率よりメイド喫茶の倍率が気になりました。
二度目の大学受験
諦めの悪い私は、両親にお願いしてもう1年チャンスを貰いました。
一浪という情けない状態になりつつも、
「難関美大は一浪位普通」
という甘い噂を受け入れて、
「皆と一緒だから普通、自分は劣っていない」
と思い込み、自尊心を保っていました。
それなりに楽しく浪人生活を送っていました。
仲間も沢山出来て、絵も上達し楽しくなってきました。
初めて本気の恋なんかもしました。
(石膏像のヒロシとではないです)
そんで一ヶ月で振られて夜の公園で一時間泣きました。
そんなんだから、当然受験も再びツルッツルに滑り落ちました。
ハゲそうです。
仲間達はほとんど受かり、卒業していきました。
2年連続、全校から「あなたは要りません」と全否定されました。
甘い言い訳の魔法の言葉はもうありません。
他者に認められず、褒められず、
遂に自分は価値のない人間なんだと落ち込み始めました。
三度目の大学受験
諦めの悪すぎる私は、これで最後と両親にお願いして、特待生制度を利用して二浪目に突入しました。
社会人の兄に「ニート」と呼ばれました。
アニメに登場する兄という者は妹に甘い印象だけど、リアル兄はハバネロみたいな生き物でした。
学生時代の同級生は大学、短大、専門の2年生として、とても楽しそうに輝いて見えました。
私にはよくわからない、ゼミや就活、バイトや恋の話をしています。
オシャレや化粧もして、とてもキラキラと綺麗でした。
一緒に切磋琢磨した一浪時代の仲間達は、美大の1年生として通い始めていました。
私だけ落ちこぼれのひとりぼっちになりました。
人と比べてよく落ち込んでいました。
今までぼんやりだった将来を不安に思う事が増えました。
人生詰んだかも。
就活の時に2浪が足かせになる・・・。
でも最高峰の芸大にさえ入れれば・・・
「かっこいいから美大生になりたい」とか言っていたやつが、
急に現実的でカチコチな思考に変化していきました。
私の将来の夢って何だっけ。。わからなくなりました。
「今」を幸せに楽しく生きることを見失ってしまった私は、
次第に「未来の自分のために後悔しないように」と「今」を我慢し犠牲にして、頑張るようになりました。
これから続く長い正体不明の不調にジワジワ苦しめられてもなお、
体と心のSOSに気付かずに「未来」だけを見つめて頑張り続けてしまうのでした。
⭐️ 第三話に続きます⭐️
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